Smiley face
写真・図版
工場長の中島俊治さん=2024年9月25日午前11時19分、山梨県北杜市、棟形祐水撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 ウイスキー「白州」が、さらなる進化へ動き出した。

 今夏、品質改良のため、伝統の手作りの麦芽製法「フロアモルティング」を導入。床に大麦を敷き、職人がかき混ぜて発芽を促す。原酒の香味をより引き出せる可能性があるという。

 この製法でつくる麦芽はごく一部だが、サントリーは「ゆったりとした時間の中で熟成するのがウイスキー。より高品質な原酒の作りこみを実現し、白州の次の10年、20年につなげたい」と期待する。

 南アルプス・甲斐駒ケ岳のふもと。サントリー白州蒸溜(じょうりゅう)所(山梨県北杜市)を9月末に訪れると、香ばしい大麦の香りが漂っていた。鳥がさえずる森の中で白州はつくられている。1994年のデビュー以来、世界各地の品評会で評価されてきた日本を代表するシングルモルトウイスキーだ。

 「一般的にシングルモルトは重厚な味わいのものが多いですが、この白州はさわやかな味と香りでスッキリとしています。そこが魅力です」と中島俊治・白州蒸溜所工場長(47)は胸を張る。

 品質改良を重ねてきた。例えば麦汁。南アルプスの地下天然水を温め、麦芽と混ぜてつくる。スッキリとした飲み口、フルーティーさを出すため、水の温度や麦芽の粉砕度合いなどの調整を毎日欠かさない。

 他にも、蒸留釜の大きさを変…

共有